「ONE PIECE」から学ぶ「寄り道」することの大切さ
ワンピースを読んで感じたこと
最近、ワンピースの最新刊(89)が発売された。
ワンピースとは、船長『モンキー・D・ルフィ』率いる麦わら海賊団が
それぞれの夢を叶えるために冒険を繰り広げる、アツい少年漫画である。
おそらく、現在日本で最も読者数の多い漫画だろう。
そんな多くの読者を惹きつけるワンピース、
その主人公ルフィの夢とは『海賊王になること』である。
ひとつなぎの大秘宝ワンピースを手に入れ、
強力な海賊や海軍がひしめき合う『大海賊時代のトップ』になる
そんな壮大な夢を、彼は抱いている。
月並みな感想で申し訳ないが、正直かっこいいと思う。
ルフィのように強くなりたい、たくさんの人を助けたい
そんな気持ちを抱かせてくれる。
しかし、そんな勇気と元気をくれる最高の漫画ワンピースを読んでいても、
最近、「腑に落ちないな」と感じることがあった。
それは――
「ルフィって、寄り道しすぎじゃない?」
「寄り道王」のルフィ
ルフィに対してそのような感情を抱くようになったのは、
ビッグマム編に入ってからである。
念のため、ビッグマム編を読んでいない方のためにあらすじを説明しておく。
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①麦わら海賊団のコックであるサンジが突如失踪。
②サンジは、四皇ビッグマムの娘と政略結婚をするために姿を消した。
③サンジは麦わら海賊団を助けるために政略結婚するのだと判明。
④ルフィはサンジを連れ戻しにビッグマムのもとへ向かう。
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このようにビッグマム編では、1クルーを救うために、海賊界のTOP4「四皇ビッグマム」と対峙することになる。
漫画の展開としてはこれ以上にない盛り上がり方だと思う。
明らかに格上の相手に対して、ルフィたちがどう立ち向かうのか、
ルフィならそんな逆境を跳ね除けてくれるのではないか。
そんな展開に期待し、胸を躍らせながら読み進めていた。
しかし、そんなワクワク感に水を差すように、ふと思ってしまった。
「そういえばルフィって、ワンピースを探してるんじゃなかったっけ」と。
そうだ、
ルフィは「海賊王」になりたいのだった。
ひとつなぎの大秘宝『ワンピース』手に入れて、オンリーワンの海賊になる。
それが彼の夢だった。
『ワンピース』を手に入れる。ただそれだけでいいのだ。
しかし、ルフィは今、四皇ビッグマムのもとから、コックであるサンジを救い出そうとしている。
そこで自分は
「これはとんでもない寄り道ではないか。」
そう思ってしまった。
『海賊王になる』という夢を叶えるためにいまやるべきことは、サンジを助けるのではなく、「ワンピース」を探すことだと思う。
なぜなら、サンジを救おうとしている裏では、
「ワンピース」を手に入れようと躍起になっている海賊がたくさんいるからだ。
ビッグマムを含む四皇や、ルフィと同じ「最悪の世代」の海賊たち、頭角を現してきたルーキー、
どこの誰に、いつ夢を潰されてもおかしくない状況で
コックを助けている余裕なんてあるのか。
と正直、思った。
ましてや、四皇との直接対決なんて絶対避けて通るべきである。
ヘタをすれば、助けるどころか自分の命を落としてしまう可能性がある。
死んでしまったら夢は叶えられない。
しかし、そんなリスクのある状況で
彼がとった行動とは、わき目もふらずにサンジを助けることだった。
「寄り道」の多さが人生を豊かにする
思い返してみると、彼は寄り道の多い主人公のような気がする。
内政の混乱するアラバスタを救おうと奔走したり、
兄であるエースを助けるために海軍の総本部に乗り込むなど、
一見、夢の実現には関係ないようなことにも全力を尽くしてきた。
しかし、そういった寄り道をしてきたからこそ、
敵対した海賊達から尊敬を集めたり、
魚人島やアラバスタのような大国からの信頼を得ることができたのだと思う。
ましてや、数多の海賊達の中でも「最悪の世代」と揶揄されるようになり、
海賊としての評判は折り紙つきのものとなった。
もしかしたら、
寄り道する回数が多いほど人生は
より良い方向に向かうのかもしれない。
「寄り道なんてありえない」と正直思っていたが、
寄り道から得られるものは、想像以上に多いことを知った。
夢から逆算して生活を送っている自分も、
ルフィのようにたくさん寄り道をしようと思う。
「寄り道王」に、俺はなる!!